Yの悲劇 | おわらいバカ

Yの悲劇

あれは忘れることのできない、2004年9月何日?の話。


バイト帰りにあの天下の吉野家なる高級料亭に行ったんですよね。
店内に入るとすかさず3オクターブ下のダンディズムな声でこう言うわけですよ。

「並を1杯くださいな」

そらもう「早い・安い・美味い」の三拍子が揃った高級料亭ですから
千利休みたくセレブな感じでお茶をすすっている間もなく、
「お待たせしました」とか言って出てくるんですよね。
あの速度は、たぶんマッハ3くらい。
この言葉こそ謙虚というものです、全くもって待たされてないのですから。
「あぁ、これが21世紀か」と痛感せざるを得ない。
そして疲れた体を癒すがごとく、ラストエリクサーを使うがごとく、
サーブされた豚丼を我が口へレシーブするわけです。
そして、5分も経たぬうちに完食。
「さぁ、貴族のようにお代金をお支払いして屋敷に帰宅するザマスよ、スネちゃま。」
と単独コントをし終えると、あることを思い出した。

「あ、今日ほとんどお金持ってない。」

焦る。冷や汗ル。ものの見事に焦りあせる。
財布の中を何度見ようが、あるのは日本通貨290円(イェン)。
ご存知のことと思うが豚丼(並)1杯、320イャン。

さぁ、ここで小学生にタイムスリップしてみよう。
320-290=30だね。
うん、何回やってもそうなるね。
30円足りないね。奇跡が起きても足りないね。
そーなのよ、足りないの。
立派な大人なのに30円足りないの。

店員さんに平謝りで、
「すいません、ちょっと今、手持ちがありません・・・」

(320円ごときに「手持ち」という言葉を使っている自分を消したい。)

「すぐにおろして来ますから、ほんとすいません・・・」
と高橋名人のように「すいません」を連打。1秒に16回連打。

携帯電話を預けてダッシュでATMにおろしに行った。

んで、すぐお代金払って、また謝って
携帯電話返していただいて逃げるように退散。悪霊退散。


「セレブだ。」「貴族だ。」などの上記した言葉はもうソッコー脳内削除。


で、最後にオチをどうぞ。(「おもしろくないオチだよ」と予め自己保身)












「30円のために銀行の手数料105円取られた。」





みなさん、財布は計画的に補充しましょう。
吉野家のご利用も計画的に。